君と想い出をもう一度
「しっかし今日は人が多いな。何か祭り事か?」


「さあ…?この季節に祭りなんて聞いたことがありませんね」


二人で首を傾げながら人だかりを見る。


ミュウの透けた身体にも頓着しない盛況ぶりだ。


「すみません」

ラルムが手前に立つ男に話しかけた。

「あ?何だ」

ちょび髭の顔だけは愛嬌のある男。

年の頃は三十くらいか、無愛想な声で応じた。


「これは何の人だかりですか」

「お前、どっから来た?」

目を丸くする男にミュウはギクリと肩をすくめたが、ラルムは穏やかに笑うだけだった。


「隣街です。来たばかりなもので」

「…しゃあねぇな。朱雀家の儀式だよ」


眉をひそめるラルム。

「朱雀家の風習は表に出ていないはずでは…」

「んなこと知らねえよ。今は出てんだから事実は変わらん」


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