上司に秘密を握られちゃいました。

真山さんはあの時のことを思いだしているのか、柔らかい笑みを見せるけれど、私は一気に地獄行き。


「あの……ごめんなさい」


もう隠し通せない。
このスマホには写真が残っているし、ここまではっきりと思い出されてしまったのでは、どちらにせよいつかはバレるだろう。


「ごめんなさいって?」

「……私、東郷百貨店の受付嬢に憧れて、実は自分で……」


“制服に憧れて”ではなく、“受付嬢に憧れて”にしてみたけど、あながち嘘ではない。


「自分? 自分でって、まさか作ったの?」


私は小さく頷いた。

真山さんとこうしてお近づきになれて、仕事への熱意にも好感が持てて……。
話も合うし、もしかしたら素敵な恋でも始まらないかしら。なんて淡い希望を抱いていたのに、これで終わった。
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