上司に秘密を握られちゃいました。
「おもちもあるんだけど、焼こうにも網がなかった……」
「これだから男のひとり暮らしは」と自嘲気味に笑う。
「あの、電子レンジとオーブントースター、ありますか?」
「うん。全然最新式じゃないのなら」
真山さんの言い方がおかしくて、思わず吹き出してしまった。
あまり使わないのだろうか。
「それなら、焼けますよ。キッチンをお借りしてもいいですか?」
真山さんに案内されたキッチンは、きれいに片付いていた。
というか、あまり使った形跡がない。
予想通り、自分ではほとんど作らないのだろう。
真山さんからおもちを受け取ると、まずは電子レンジで温める。
柔らかくなってきたところで取り出し、今度はパンを焼けるくらいの小さなオーブントースターに入れて、再び熱する。