上司に秘密を握られちゃいました。

「飲めない人か。酒豪には見えないけど、最近は女の人の方が強いこともあるからね」


クスッと笑う真山さんは、「それじゃお茶で」と用意してくれた。


「真山さんは、飲んでください」

「いや、送っていかないと」

「そんなこと、気にしないでください。ひとりで帰れますから」


なんて優しい人だろう。
正月なんだから、私のことなんて気にしないで飲めばいいのに。


「まさか。誘っておいて、そんなことできないよ」


私の発言に驚いた様子の真山さんは、「とにかく、食べよう」と私に取り分け皿を出してくれた。


「それでは、遠慮なくいただきます。なんだか緊張します」


おせちに箸を入れるのがもったいない。

重箱をいくつにも区切って、少しずつ違う料理が盛り付けられている。
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