上司に秘密を握られちゃいました。
耳が熱くなるのを感じながら、なんでもない顔をして、彼の代わりに子供たちの輪の中に入った。
袋の中には、私が食べたものと同じサンドウィッチとブラックコーヒー。
たくさん食べる彼には、絶対に足りない量。
だけど、ゆっくりランチなんてできないだろう。
少しだけでも食べてほしい。
私が遊び始めると、彼は小さく手をあげて出て行った。
少しは役に立てたかな。
職場に恋人がいるって、いいかもしれない。
彼の顔を見るだけで、頑張る気力がわいてくるから。
十八時過ぎると、来客数も落ち着いてきたようだ。
だけど、まだ迷子がひとり残っていた。
ひとりだけになってしまった五歳の女の子は泣きそうだった。
次々と仲間がいなくなるのだから、心細いに決まっている。
私は、彼女を膝に乗せて絵本を読むことにした。