上司に秘密を握られちゃいました。
社内恋愛
次の日からも忙しかった。
正月商戦がひと段落しても、仕事はいくらでもあった。
私たち派遣組は相変わらずバックヤードの仕事だったけど、ラッピングの勉強を続けているおかげか、いろいろな部署からラッピングの依頼を受けることが増えた。
「藍華、モテモテ」
「あはは」
美晴が、あちこちに引っ張って行かれる私を見て笑う。
だけど、派遣社員でも頑張れば認めてもらえることを知った。
「西里さん」
その日は、婦人服売り場のバックヤードで仕事をしていた。
私を呼んだのは、真山さんだった。
「はい」
名前を呼ばれただけで頬が赤く染まってしまうのは、どうしたらいいのだろう。
「ラッピングを頼みたいんだ。僕の大切なお客様でね」