上司に秘密を握られちゃいました。

社内恋愛


次の日からも忙しかった。
正月商戦がひと段落しても、仕事はいくらでもあった。

私たち派遣組は相変わらずバックヤードの仕事だったけど、ラッピングの勉強を続けているおかげか、いろいろな部署からラッピングの依頼を受けることが増えた。


「藍華、モテモテ」

「あはは」


美晴が、あちこちに引っ張って行かれる私を見て笑う。
だけど、派遣社員でも頑張れば認めてもらえることを知った。


「西里さん」


その日は、婦人服売り場のバックヤードで仕事をしていた。
私を呼んだのは、真山さんだった。


「はい」


名前を呼ばれただけで頬が赤く染まってしまうのは、どうしたらいいのだろう。


「ラッピングを頼みたいんだ。僕の大切なお客様でね」
< 184 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop