上司に秘密を握られちゃいました。
それはちょっと困る、かも?
「あはは」と苦笑いしている真山さんも顔が引きつっているけれど、早乙女様は豪快に笑っている。
ちょっと変わった人だけど……悪い人ではない気がする。
「これにするわ」
派手な服装のイメージから、もしかしたら、キラキラで派手すぎるものを選ぶのではないかと心配したけど、早乙女様が選んだ時計は、アンティーク調の渋い掛け時計だった。
これなら長く使えそう。
なかなかのセンスの持ち主だ。
「それではお包みしますので、よろしければ店内をご覧になってお待ちください」
真山さんから会計の済んだ商品を受け取ると、バックヤードに向かった。
真山さんは早乙女様と一緒に、別の売り場に行ったようだ。
どんなラッピングにしよう……。
結婚祝いだから派手に……。
出来上がりを想像しながら、包装紙やリボンをあててみる。