上司に秘密を握られちゃいました。

「これ、藍ちゃんが?」


大きなリボンをじっと見つめる早乙女様は、妙に感心したような声をあげる。


「はい。お気に召しますでしょうか」

「もちろんよ! あなた、かわいいだけじゃないのね。
いいじゃない。仕事のできる女って、いいわ」


早乙女様に褒められた?

『仕事ができる』というほどのものではないけれど、ラッピングは練習したから、褒められるのはうれしい。


「それで、公孝君に食べられたの?」


今度は大きな体を乗り出して、私の耳元でささやく。


「いえっ、あのっ……」


とんでもない質問に頬を赤らめてうつむくと「純情なのね」と笑われてしまった。


「今日はとっても満足よ。さぁて、早速これを贈りに行ってくるわ」


早乙女様は嵐のように去っていった。
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