上司に秘密を握られちゃいました。
「これで、堀川さんのハートは、ばっちり私のものよ。ねぇ、藍ちゃん」


早乙女様は私を手招きして、耳に手を当てる。


「忘れちゃだめよ。『ア、ゲ、ル』だからね」

「いえ、あの……」


今度は冷や汗が出る。
早乙女様のマイペースなところは、リアンで初めて会った時と同じ。


「あら、もたもたしてると、公孝君に食べてもらうわよ、私」

「食べて……」


食べてというのは、その……。

一瞬、真山さんと早乙女様が抱き合っている姿が頭をよぎる。


「さぁてと。取りあえず義理から配りはじめるわよ。それじゃ、またね」

「ありがとうございました」


大きな紙袋が三つ。
だけど、早乙女様が大きすぎて、ひどく小さく見えた。


「藍華、知り合い?」


親しげに話していたからか、美晴が首を傾げる。
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