上司に秘密を握られちゃいました。
だけど、真山さんと付き合っているのは事実だし、そう思われても仕方がない。
それでも、真山さんも美晴もわかってくれているから、あとは頑張って実績を残すだけ。
「藍華……」
眉間にシワを寄せる美晴は、派遣同士頑張ってきたからこその絆がある。
「嫉妬されるほどいい環境をいただいたということよ。
美晴も待ってるからね」
「そう、だね。私も頑張るよ」
美晴に笑顔が戻った。
それから美晴にも手伝ってもらって、早乙女様のラッピングを終わらせた。
他の売り場から戻ってきた早乙女様が、その中のひとつを手に取ってじーっと見つめる。
どうしよう……気に入ってもらえてない?
嫌な汗が出る。
なにか言ってほしい。
「さすがね」
「ありがとうございます」
緊張した。
私のことをバカにする社員たちの前で失敗したらと……本当は怖かった。