上司に秘密を握られちゃいました。

大きくうなずいた近藤さんは、再びパソコンに向かった。

真山さんが空手……。
彼の大きな手は力強かったけど、知らなかった。


しばらくすると真山さんが帰ってきた。

彼の無事を確認すると、安心のあまり脱力する。
なにごともなくて、よかった。


「酔っ払いが侵入していましたので、警備室へお連れしました。
身元がわからなければ、警察に連絡します」

「そうか、お疲れ」


部長に報告した真山さんは、再び席に着いた。


「真山、お疲れ。西里さんが心配してたよ」

「えっ……いえ……」


近藤さんにバラされて焦る。


「それは、ありがとう。大丈夫だよ」

「はい」


まともに真山さんの顔が見られない。
うつむいて書類を読むフリをした。

好きな人がこんなに近くにいると、ドキドキしすぎて心臓が破れてしまいそう。
隣にいられるのはうれしいけれど、近すぎるのも考えもの。
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