上司に秘密を握られちゃいました。
「いえ。また頑張りますね」
月明かりに照らされた彼の笑顔は、私の心を穏やかにする。
「それじゃあ、おやすみ」
一歩近づいた彼は、私の肩に手をかけ、額にキスを落とす。
「おやすみ、なさい」
耳まで熱い。
額にキスされただけでこんなに舞い上がるのは、やっぱりおかしいかな?
真山さんと視線を合わせることができなくなって、そのままエントランスに入る。
それでもそっと振り返ると、彼は小さく手を挙げてくれた。
もう、不安にならなくてもいい。
自信を持って、彼女だと言ってもいい。
そんなワクワクした気持ちと、少しの緊張で、その日はよく眠れなかった。