上司に秘密を握られちゃいました。
「よかったー。ところで真山さん、チョコいくつもらったんですか?」


ちょっと意地悪な質問を投げかけてみる。


「あはは。えぇっと……」


彼は視線を斜め上に向け、考え込む。


「十……いや、十五?」

「そんなに!」

「いや、でも……これがうれしいよ」


少し焦る真山さんがおかしい。


「いいんです。ちょっと嫉妬しただけです」

「嫉妬?」

「あっ、いえ……」


嫉妬したのは本当だ。
やっぱり、私だけの真山さんでいて欲しい。

だけど、彼のことが大好きだと告白してしまったかのようで、焦る。


「俺は藍華が好きだ」


こたつの向こうに座っていた彼が、身を乗り出してきてあっという間に唇を重ねる。
少し甘くて柔らかい唇は、私に自信をくれる。


「ずっとそばにいてほしい」


少しだけ離れた真山さんが、私に視線を絡ませる。


「はい。ずっと、そばに……」


そして、もう一度、唇が重なった。
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