上司に秘密を握られちゃいました。
彼の唇が離れて行くと、照れくさくてうつむいた。
色々あったけど、彼との距離がまた縮まった気がして、うれしかった。


それからすぐに、頼んでおいたピザがやってきた。
真山さんは細いのに意外と食べる。
大きなピザは、あっという間になくなった。


「藍華、足りた?」

「もちろんです。だってケーキも食べましたから」

「少食だなぁ」


彼は空手をしていたからか、筋肉質でガッシリはしているけど、決して太ってはいない。
一日中あちこちの売り場を歩きまわっているから、このくらい食べないと足りないのかもしれないけど。


「もう、こんな時間だ」


時計を見ると、二十二時を過ぎている。


「遅くまでごめんなさい。帰ります」


疲れている真山さんに無理させてはいけない。
名残惜しいけれど、立ち上がって部屋の片隅に置いておいたバックを持った。

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