上司に秘密を握られちゃいました。

それからすぐに触れた唇が、熱を帯びてくる。

彼に必死にしがみつくと、私を壁に追いつめ、情熱的なキスを繰り返してくる。
恥ずかしくてうつむくたびに、それを許さないとばかりに彼は私の顎に手をかけ、何度も角度を変えて唇を覆う。

そして、彼の舌が私の唇に触れ、こじ開けた。


「ん……」


温かい彼の舌が私のそれと絡まる。

恥ずかしいけれど、うれしい。
こうして大好きな人と、つながることができるなんて。


「好きだ」


やがて離れた唇は、今度は耳元で優しい音を作り出す。

真山さんは額に唇を押し付けると、不意に私を抱き上げた。
彼はそのまま部屋を出ると、玄関ホールを通り、別の部屋に入っていく。

そこは、寝室だった。

温められていた部屋とは違い、震えそうに寒い。
彼は私をベッドに優しく下ろすと、すぐにヒーターのスイッチを入れる。
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