上司に秘密を握られちゃいました。

だけど、ドクドクと耳に届く彼の鼓動の激しさに驚く。


「藍華……」


私を強く抱き寄せる彼は、苦しそうに息を荒げる。

公孝さん、ちゃんと気持ちよかっただろうか……。
初めての私を気遣ってばかりいた彼のことが、気になってしまった。


「藍華、辛かっただろう?」

「ううん。すごくすごく幸せです」


抱きついたままそう言うと、「俺もだ。こんなに幸せなセックス、初めてだ」とつぶやく。

それを聞いてほっとした。


その日も、彼に抱きしめられたまま朝を迎えた。

チラチラと差す日の光を感じて目を覚ますと、まだ隣で公孝さんが眠っていた。

疲れているのだろう。
スースーと規則正しい呼吸を繰り返す彼の姿を見ていると、胸がじんわりと温かくなる。
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