上司に秘密を握られちゃいました。
テレビカメラまで来ていて驚いたけれど、リハーサルでしたように、音楽に合わせて一歩一歩進む。
中央に設けられたランウェイの周りにも、人がいっぱいだった。
やがて一番前で、腰に手をあてポーズをとると、感極まって泣きそうになる。
大好きな東郷百貨店で、大好きな制服を着て、大好きな人と共に作り上げたショーが成功しようとしている。
公孝さんに言われた通り、顔を上げ遠くを見つめると、一番後ろの方にいる彼に気がついた。
拍手し続ける彼は、何度も何度も小さく頷いてくれる。
私は彼に向けて、精一杯の笑顔を作った。
今度は振り返って、元来たランウェイを戻って行く。
その時、会場の隅に佳乃さんがいることに気がついてしまった。
彼女だけ拍手もせず立ち尽くしていたからか、目立っていた。