上司に秘密を握られちゃいました。
「私、やります」
リボンの装飾は、ふたりだとあっという間に完成した。
机の上の山積みになっている福袋を見て、達成感でいっぱいになる。
「売れるといいな」
「そうだね。ちょっとした工夫で売り上げは変わるものだから」
「本当ですか?」
すぐに解かれてしまうだろうリボンを、わざわざ結ぶなんて、ほとんど自己満足だと思っていたのに。
「福袋は、もちろん中身の口コミもある。
だけど、同じ袋でリボンがついているのとついていないの。
西里さんならどっちを選ぶ?」
そう言われると、たしかにリボンの方に手が出るだろう。
「リボンの方です」
真山さんは私の答えに、満足そうにうなずいた。
「皆わかってることだけど、この手間を考えたら、普通はやらないんだよ。
だけど、東郷百貨店がこの先生き残っていけるかは、そういうところにかかっているはずだ」