上司に秘密を握られちゃいました。

「いや、そんなに喜ばれると、びっくりだけど……」

「すみません」

「多分、その前の夏服もあるはずだよ。
もう三十年近く前のものだから、形はレトロだけどね」


そのレトロなところが、いいんじゃないですか!と叫びたいところだけど、ぐっと我慢した。


夏服は、晴れた日の空のようなきれいな水色のワンピースだったはずだ。
確か首元は開襟だったような。

東郷の赤は、首元にまかれたスカーフで主張していた。


真山さんの言う通り、レトロな感じだけど、当時はかなりオシャレだと注目を浴びたのではないだろうか。

本物を見られるなんて、夢のようだ。


「あっ……」


福袋の最後のひとつに手を伸ばすと、同時に伸びてきた真山さんの手とぶつかってドクンと心臓が跳ねる。
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