上司に秘密を握られちゃいました。

給料が付かなくても、こうして真山さんとお近づきになれただけで十分だ。
もちろん、そんなことは言えないけど。


「いや。西里さんのようなアイデアを、それで逃しているならもったいない。
かといって、残業しないといけない雰囲気になるのもよくないし……」


真剣に考え込んでいる真山さんは、とても真面目な人の様だ。


真山さんはデパートから徒歩で十分ほどのイタリアンに連れて行ってくれた。


「ここ、トマトベースのパスタがすごくうまいんだよ。
実はトマトが嫌いだったんだけど、ここのミートソースを食べるようになってから、おいしさに気がついてね」


思わず笑ってしまった。

完璧そうに見える真山さんがトマトが嫌いなんて、子供みたいなこと言うから。
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