君をひたすら傷つけて
私はさやかのように将来に何をしたいとか、何になりたいとかが全く決まってない。今からの自分を見つけるために大学に行くと皆の前では楽観的に言っているけど、内心かなりの焦りもある。今はそれでいいかもしれないけど本当に私がしたいこと見つかった時にその大学でよかったのか先は分からない。未来の分かる地図でもあればこんなに苦労はしないだろう。
横を前向きに歩くさやかのように早く自分の道を見つけたい。そして、願わくば自分に誇れる夢であってほしいと思う。
「それにしても寒いね。風邪引きそう」
「早く教室に入りたいね」
「でも、教室に入ったら現実が待ってるよ。冬休みで皆、勉強ばかりでゲッソリとしているんじゃない?寒いから教室に入りたいのに現実は怖いから入りたくない」
「でも、新学期早々、遅刻はしたくない」
「確かに」
そんな呟きを漏らすさやかに私も同じことを思った。私たちだけでなく、この時期の高校三年生の大部分は憂鬱な朝を迎えたことだろう。寒いところから暖かい教室に向かうのに気分は少し下り坂で、一向に上向きになる気配はない。さやかと教室に入ると私たちの想像通り、いや、想像以上に教室内は微妙な空気に包まれていた。
教室には参考書を開いて必死になっている人と、すでに推薦である程度決まっている人がいて、周りの空気は二、三度違うのではないかと思ってしまう。そのくらいに温度差を感じるのだった。
「思った通り」
私たちの二人して教室に入ると小さな溜め息が漏れる。二人で顔を見合わせてもう一度大きな溜め息を零した。
横を前向きに歩くさやかのように早く自分の道を見つけたい。そして、願わくば自分に誇れる夢であってほしいと思う。
「それにしても寒いね。風邪引きそう」
「早く教室に入りたいね」
「でも、教室に入ったら現実が待ってるよ。冬休みで皆、勉強ばかりでゲッソリとしているんじゃない?寒いから教室に入りたいのに現実は怖いから入りたくない」
「でも、新学期早々、遅刻はしたくない」
「確かに」
そんな呟きを漏らすさやかに私も同じことを思った。私たちだけでなく、この時期の高校三年生の大部分は憂鬱な朝を迎えたことだろう。寒いところから暖かい教室に向かうのに気分は少し下り坂で、一向に上向きになる気配はない。さやかと教室に入ると私たちの想像通り、いや、想像以上に教室内は微妙な空気に包まれていた。
教室には参考書を開いて必死になっている人と、すでに推薦である程度決まっている人がいて、周りの空気は二、三度違うのではないかと思ってしまう。そのくらいに温度差を感じるのだった。
「思った通り」
私たちの二人して教室に入ると小さな溜め息が漏れる。二人で顔を見合わせてもう一度大きな溜め息を零した。