君をひたすら傷つけて
「そうなんですね。それはよかったけど、出来ればもう少しだけ待ってて欲しかったです。一人じゃなかったのは良かったですけど、私が大学から戻ってくるくらいまで」


「本当だね」

 ご両親とお兄さんに見守られて義哉は眠ってしまった。それだけは良かったと本当に思う。でも、やっぱり最後には会いたかった。
 
「今日の大学入試なんですが、義哉に教えて貰った数学がスムーズに解けたんです」

「ん」

「それで流れが掴めたのだと思います。緊張せずに最後まで試験を受けることが出来ました。頑張れたと思います」

「ん」

「義哉に直接言いたかったです。今まで教えてくれたから、頑張れたって、本当にありがとうって」

 私がそういうと、お兄さんは私の頭をポンポンと撫でた。


「よく頑張ったね。義哉もそう思っていると思う。藤堂さんの気持ちもきっと分かっていると思う。義哉は誰よりも優しいし、藤堂さんのことを見ていたから」

 私は義哉の顔を見つめ、そうあって欲しいと思う。頑張った私を褒めてくれるかな??そんな思いで私が義哉を見つめているとお兄さんはゆっくりと立ち上がった。


「そろそろ家まで送るよ。連絡していると言っても大学受験の帰りに遅くなると家の人が心配するよ」
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