君をひたすら傷つけて
先生が言った私の席というのは教室の窓際から二番目の列一番後ろ。空いているのは窓際の一番後ろの席で私の真横だった。一番端の席が空いているから普段はとっても気楽に窓からの風景を眺めることも出来るし、休み時間には私とおしゃべりをしにくるさやかの特等席になっている。教室内で空いている席はそこしかないから当たり前なのだけど、そこに転校生がこの時期に座ることになるとは思わなかった。
ふと、先生の顔を見つめる私に降り注ぐのは『羨ましげな視線』だった。
これが高取くんでなかったらこうも『羨ましげな視線』を浴びることはなかったと思う。この時期に爽やかな顔の男の子が転校してくることは受験前の現実逃避には十分で、それが『羨ましげな視線』になっても仕方ない。元々、一番後ろの席は特等席なのに、高取くんが横に座るとなると一気にプレミアが付いたかのようにその価値が跳ね上がったような気がした。
運がいいのか?分からないけど、「雅。私と代わって~」なんて声が飛んで来るほどで、この状況をどうしたらいいのか分からない。でも、そこは先生の一言で全てが終わった。
「高取くんは席に座って、分からないことは藤堂さんに聞いてくださいね。それと、今からの始業式のついての行動を説明をします。三年生は色々と役割があるので、委員長の指示に従うこと。簡単に黒板に書くので、その間、静かに待っていてください」
先生はチョークを手に持つと、ゆっくりと今からの予定を書きだす。そんな中、高取くんは机の間を色々な人に話しかけられながら、後ろの方に向かって歩いてきていた。
ふと、先生の顔を見つめる私に降り注ぐのは『羨ましげな視線』だった。
これが高取くんでなかったらこうも『羨ましげな視線』を浴びることはなかったと思う。この時期に爽やかな顔の男の子が転校してくることは受験前の現実逃避には十分で、それが『羨ましげな視線』になっても仕方ない。元々、一番後ろの席は特等席なのに、高取くんが横に座るとなると一気にプレミアが付いたかのようにその価値が跳ね上がったような気がした。
運がいいのか?分からないけど、「雅。私と代わって~」なんて声が飛んで来るほどで、この状況をどうしたらいいのか分からない。でも、そこは先生の一言で全てが終わった。
「高取くんは席に座って、分からないことは藤堂さんに聞いてくださいね。それと、今からの始業式のついての行動を説明をします。三年生は色々と役割があるので、委員長の指示に従うこと。簡単に黒板に書くので、その間、静かに待っていてください」
先生はチョークを手に持つと、ゆっくりと今からの予定を書きだす。そんな中、高取くんは机の間を色々な人に話しかけられながら、後ろの方に向かって歩いてきていた。