君をひたすら傷つけて

フランスにて

 人生なんて色々なことがある。でも、今の私の状況をなんとなく夢なのではないかと思ってしまう。海外留学に高校生の時に憧れたのは間違いない。でも、まさかフランスに留学出来るとは思わなかった。アメリカやオセアニアには留学が出来ることが多い。でも、ヨーロッパとなると敷居はグンと高くなる。そんな中で代理とはいえ留学出来たのは運がよかったのかもしれない。

 私がフランスのシャルルドゴール空港に着いたのは夕方だった。空港の出国出口から出るとそこは日本とは明らかに違う風景が広がっていた。私はこの中から、迎えに来てくれているはずの人を探さないといけない。


 名前は金谷まりえ(カナヤマリエ)さん。同じ大学で勉強をする日本人留学生で私よりも少しだけ早くパリに来ているらしい。彼女は留学中にずっと一緒に過ごすルームメイトになる予定だった。私が滞在する予定の部屋は三人でシェアするようになっていて、もう一人は日本人ではないらしい。その二人で私を迎えに来てくれるはずだけどそれらしき人は居ない。

 私が乗ってきた飛行機は日本からの直行便だったので殆どが日本人だったから、迎えに来てくれたはずの金谷さんと擦れ違ってしまったのかもしれない。


 こういう時はどうしたらいいのだろう。普通なら動かないのがいいのかもしれないけど、全く知らない異国の地で不安ばかりが募っていた。
< 216 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop