君をひたすら傷つけて
「下着はその時が来たら使わせて貰う。ありがとう」

 そう言って私は隣の部屋に逃げ込んだのだった。

 見た目、キッチリとしているので身体を締めるかと思ったけど、思った以上に楽な作りになっている。これならゆっくりとワインを飲んでも大丈夫だろう。形も可愛いけど、素材の良さが袖を通すと分かった。私がワンピースに着替えを終わらせて部屋から出てくるとリズの絶賛のよって包まれたのだった。ディーさんはいそいそとカメラの準備を始めていた。

「雅。可愛いわ。アルベールにあげるのが勿体ない」

「あげるも何も食事に行くだけだし」

「でも、好きと言われたのだから、前とは違うでしょ。帰って来なくても連絡はいらないから」

 もうこうなったリズは手を付けられない。何を言っても言葉で負けるのは確実。それなら言葉は軽く流して、早くここから逃げ出した方が賢いというもの。でも、そうはいかなくて、スタジオに連れて行かれると、簡単な撮影会が始まった。

 スチールなので数枚だけど、ディーさんはさっきまでの柔和な表情は消え、真剣な顔をしてリズに指示を飛ばした。そして、その指示通りにシャッターが切られ、私は身体を動かした。

 約束の一時間の前ギリギリまでリズとディーさんとの共演は続けられた。そして、私は行く前から疲労困憊だった。

「…。行ってくる」

「はーい。アルベールによろしくね」
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