君をひたすら傷つけて
「ここが音楽室とかの特別教室がある棟なんだけど繋がっているのは二階と四階だけなの。移動する時は階段を上がって二階か四階の渡り廊下から移動してね。上から四階が音楽室、三階が理科室と視聴覚室。二階が美術室、一階が家庭科室と技術室なの。一階の家庭科室と技術室は外の渡り廊下を使えば入れるけど、職員室の前を通らないといけないからみんなは二階から行くよ」


「上から四階が音楽室、三階が理科室と視聴覚室。二階が美術室、一階が家庭科室と技術室か。覚えるのに時間が掛かるかも」


「ごめんね。わかんないよね。説明苦手で。」


「大丈夫だよ。藤堂さんの説明は分かりやすい。それに僕が困らないように考えながら案内してくれているのが分かる」


 高取くんは何をしても何を言っても優しい。そんな優しい言葉にドキドキしてしまうのは私が男の子と二人でいるという状況なのか、それとも説明でいっぱいいっぱいだから舞い上がってドキドキしているのか分からない。でも、私は今、ドキドキしていた。


 体育館に講堂。売店に職員室に図書室に資料室。それに保健室に事務室に職員室。案内する場所はかなり広く私はゆっくりと説明しながら学校の中を歩いていた。高校も終わろうとするこの時期に私は自分の通う高校を改めて知る気がした。高取くんの質問に答えていると自分でも知らない校内が存在した。


「なんかこんな風に校内を回ると通い慣れたはずなのに新鮮に感じる。こんな風に自分の通う高校を見て回る機会が出来たのは高取くんのおかげかも」


< 40 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop