君をひたすら傷つけて
「明日の七時以降に伺うって返事が来たから、それでいい?その時間には私も行くから」

 私の仕事は明日の方が都合が良かった。明後日は撮影の仕事が入っていて、時間が読めない。それに少しでも早く雅人と篠崎さんと里桜ちゃんを会わせないことには何も始まらない。

「返事早いな。俳優のスケジュールってそんなに簡単に空くのか?」

「篠崎さんのマネージャーの方に連絡したから。空いてなくても、どうにか移動してでも、時間を作ると思うよ。それにさっきの間に彼女にも連絡していると思う」

「仕事が出来る人なんだな」

 お兄ちゃんは私の知る限り、一番仕事の出来る人だと思う。エマもリズも仕事は出来る。でも、お兄ちゃんが私の中では一番だった。雅人にお兄ちゃんが褒められると私は自分の事のように嬉しかった。

「うん。私が知る限り、一番仕事の出来る人だと思う」

「その一番仕事の出来る人に明日会えるんだよな。それも楽しみだ」

 そういうと、雅人はニッコリと微笑んだ。

 仕事の話が終ると、後は懐かしい話で盛り上がった。

 サークルは仲が良かったので、定期的に飲み会をしているらしいということで、雅人はしずか先輩とレンジ先輩以外の色々な人の事も知っていた。私はそんな話をしながら、大学を卒業すればよかったかなと思ったりもしたけど、フランスでの生活を後悔することはなかった。

 雅人は同じファッションの業界にいるということもあり、話をしていて、気兼ねをせずに話せるところもよかった。そして、アッという間に時間が過ぎ、店のラストオーダーまで話こんでいた。
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