君をひたすら傷つけて
「わかった。お兄ちゃんの言うとおりにする。スケジュールが決まったら教えて。里桜ちゃんに渡したものと一緒のが私も欲しいわ。時間があるなら、レストランとかも調べて予約しておくから。ただ、リズと違って私はあまり土地勘とかないけど、リズに聞いたらどうにかなると思う」

 仕事のついでに軽く遊びに行ったことはあるけど、住んでいたフランスとは違うから、土地勘はないし、一般的な観光地くらいしか分からない。

「スケジュールは決まり次第教えるよ。雅はイタリア語が話せるだろ。それにフランス語も。それだけで海も俺も安心だよ。知らない人にガイドを頼むのは嫌なんだ。時期的に人が多く集まっている。治安もいい方じゃないし」

 フランス語は大丈夫だけど、イタリア語はリズの手伝いで日常会話はどうにかなる程度だった。でも、それでもそれでお兄ちゃんの心配事が一つでも減ればそれでいい。私はお兄ちゃんの為に出来るなら、何でもしようと思った。

「分かった。でも、受賞でもしたら、篠崎さんは忙しくなりそうね。マスコミを捲いてフィレンツェのホテルに来ることなんて出来るの?レセプションとかもあるでしょ」

「その辺は調整しているけど、結構厳しい。だから、今、頑張っている。詰め込めるだけの仕事を詰め込んで、一日しかない休みを半日でも一日でも伸ばせないかと調整している」

「わかった」

 ミラノで映画祭が終った後にフィレンツェで合流して結婚式。私は里桜ちゃんと一緒にイタリア入りすることになる。出来ることは全てしてあげたいと思った。
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