君をひたすら傷つけて

イタリアでの再会

 レオナルドダヴィンチ空港(フィウミチーノ空港)に到着すると、ファーストクラスの乗客は待ち時間もなく、空港に降り立ち、荷物をすぐに受け取ることが出来た。ここに来るのは始めてではないけど、フランスに住んでいて、それからイタリアに来るのと、日本からイタリアに来るのは感じ方も違っていて、私は懐かしいと思ってしまった。

 耳馴染みのいい、イタリア語と時折聞こえるフランス語がヨーロッパに来たと感じさせた。里桜ちゃんと里桜ちゃんのご両親は初めてのヨーロッパということもあって、落ち着かない様子だった。少し興奮しているけど、気持ちはゆっくりの方がいい。

 時差が8時間もあるから、ずっと興奮していると疲れてしまう。


「ローマに移動して、荷物をホテルに預けてから観光に行きましょう。今日頑張って動いておくと時差ボケが楽になります。時間もないことですし、出来るだけ色々回りましょう」

「ホテルは近いのですか?」

「ホテルは有名なスペイン広場の近くにあります。ですので、観光には便利がいいですよ。今から、空港駅からテルミエ駅に行くためにレオナルドエクスプレスに乗ります。それから、ホテルで荷物を預けて、観光に行きましょう。
 そして、明日のはフィレンツェに入ります。篠崎さんは結婚式の当日にしかフィレンツェに入れないのと思うので、明日はフィレンツェの観光も出来ますよ」

「何から何まで本当にありがとうございます」

「いえ、私も里桜ちゃんの結婚式に参加させてもらうのを楽しみにしています。さ、それではそろそろ時間ですので行きましょう」

 グリーンとホワイトのとても綺麗な車体の電車に乗るとスムーズに動き出した。車窓から流れる風景を見ながら、日本とは全く違う風景をみていると、やはり懐かしいと思う気持ちが溢れた。
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