君をひたすら傷つけて
「海斗さんも緊張するのかな?」
「当たり前だと思うわ。だって。ミラノでの映画祭ですもの。今日の夜のテレビでレッドカーペットを歩く篠崎くんを見れるかもよ」
「そうね」
里桜ちゃんと話していると、里桜ちゃんは篠崎さんのことでいっぱいになっているようだった。考えてみれば、後二日で結婚式を控えているのだから、里桜ちゃんが篠崎さんのことでいっぱいになるのは当たり前だろう。
「さ、行きましょうか」
道路には灰色の石が敷き詰められてあり、アスファルト舗装が主流の日本とは違う趣がある。歩きやすいとは言えないけど、それでも一歩歩く度に、日本とは違うというのを感じさせた。なんとか階段を登り、振り返った里桜ちゃんのお母さんはとても幸せそうだった。
オードリーヘップバーンの『ローマの休日』は永遠の名作で、里桜ちゃんのお母さん世代にはこの階段は魅力があるのだろう。スペイン広場の階段を登る度に、溜息を吐き、素敵と呟く。そんな姿を見てると自分の両親に親孝行の一つも出来てないと思った。
大学の二年からずっと好きなことばかりをしている。そんな私のことを何も言わずにただ時折メールをくれる母は何を思っているだろう。結婚もせずに仕事ばかりで、日本に戻ってきても連絡だけをしたきりで、何も言ってない。
カフェで少し休憩を取ってから、トレヴィにはバスで移動。そして、里桜ちゃんと里桜ちゃんのお母さんが泉にコインを投げることになった。
一枚ならもう一度ローマに来れるように。
二枚なら好きな人と一緒に一緒に居られるように。
三枚なら嫌いな夫や妻と別れられるように。
お母さんは『お父さんとはずっと一緒なのは決まっているから、コインは一枚でいいわ』と一枚を投げ、里桜ちゃんは二枚のコインを投げた。
「当たり前だと思うわ。だって。ミラノでの映画祭ですもの。今日の夜のテレビでレッドカーペットを歩く篠崎くんを見れるかもよ」
「そうね」
里桜ちゃんと話していると、里桜ちゃんは篠崎さんのことでいっぱいになっているようだった。考えてみれば、後二日で結婚式を控えているのだから、里桜ちゃんが篠崎さんのことでいっぱいになるのは当たり前だろう。
「さ、行きましょうか」
道路には灰色の石が敷き詰められてあり、アスファルト舗装が主流の日本とは違う趣がある。歩きやすいとは言えないけど、それでも一歩歩く度に、日本とは違うというのを感じさせた。なんとか階段を登り、振り返った里桜ちゃんのお母さんはとても幸せそうだった。
オードリーヘップバーンの『ローマの休日』は永遠の名作で、里桜ちゃんのお母さん世代にはこの階段は魅力があるのだろう。スペイン広場の階段を登る度に、溜息を吐き、素敵と呟く。そんな姿を見てると自分の両親に親孝行の一つも出来てないと思った。
大学の二年からずっと好きなことばかりをしている。そんな私のことを何も言わずにただ時折メールをくれる母は何を思っているだろう。結婚もせずに仕事ばかりで、日本に戻ってきても連絡だけをしたきりで、何も言ってない。
カフェで少し休憩を取ってから、トレヴィにはバスで移動。そして、里桜ちゃんと里桜ちゃんのお母さんが泉にコインを投げることになった。
一枚ならもう一度ローマに来れるように。
二枚なら好きな人と一緒に一緒に居られるように。
三枚なら嫌いな夫や妻と別れられるように。
お母さんは『お父さんとはずっと一緒なのは決まっているから、コインは一枚でいいわ』と一枚を投げ、里桜ちゃんは二枚のコインを投げた。