君をひたすら傷つけて
「高取くんのお兄さんは優しい人だね。最初は怖い人かと思ったけど」
「優しいし、頭はいいし。自慢の兄だよ。でも、不器用なところもあるから。藤堂さんに兄弟は?」
「兄と弟がいるの。でも、兄は就職して家を出てる。弟は絶賛反抗期中だから、あんまり口もきかないの。この間はお父さんと言い合いになって、二階の自分の部屋の壁を殴って穴をあけたの」
「藤堂さんにはお兄さんと弟が居るんだね。しっかりしているから弟か妹がいるような感じだと思っていたけど、絶賛反抗期中っていいね」
「高取くんはお兄さんに反抗とかした?」
「うん。さすがに壁に穴をあけたりはしなかったけどそれなりに反抗はしたよ。でも、兄はいつも笑っているだけで怒っている僕がバカバカしくなって反抗するのが減ったかもしれない」
私の弟の反抗と高取くんの反抗は全く違う気がするけど、笑っていて、反抗期を抑えてしまう高取くんのお兄さんは凄いと思った。
「私が笑っていたらめちゃくちゃ睨まれて終わりかも」
その日の高取くんはここが病院の一室だというのを忘れさせるほど笑っていた。優しい言葉を微笑みを注ぎ…一緒に楽しい時を過ごした。学校の話だったり、自分のこと。話したことのない家族のこと。
そして、そんな話をしていると病院の夕食が運ばれてくる時間になっていた。
「優しいし、頭はいいし。自慢の兄だよ。でも、不器用なところもあるから。藤堂さんに兄弟は?」
「兄と弟がいるの。でも、兄は就職して家を出てる。弟は絶賛反抗期中だから、あんまり口もきかないの。この間はお父さんと言い合いになって、二階の自分の部屋の壁を殴って穴をあけたの」
「藤堂さんにはお兄さんと弟が居るんだね。しっかりしているから弟か妹がいるような感じだと思っていたけど、絶賛反抗期中っていいね」
「高取くんはお兄さんに反抗とかした?」
「うん。さすがに壁に穴をあけたりはしなかったけどそれなりに反抗はしたよ。でも、兄はいつも笑っているだけで怒っている僕がバカバカしくなって反抗するのが減ったかもしれない」
私の弟の反抗と高取くんの反抗は全く違う気がするけど、笑っていて、反抗期を抑えてしまう高取くんのお兄さんは凄いと思った。
「私が笑っていたらめちゃくちゃ睨まれて終わりかも」
その日の高取くんはここが病院の一室だというのを忘れさせるほど笑っていた。優しい言葉を微笑みを注ぎ…一緒に楽しい時を過ごした。学校の話だったり、自分のこと。話したことのない家族のこと。
そして、そんな話をしていると病院の夕食が運ばれてくる時間になっていた。