君をひたすら傷つけて
お兄ちゃんはいつも通りに笑っていて、一昨日のことが嘘の様だった。フィレンツェでのこともこの間の夜のこともなかったことにするのがいいと思っているかのように微笑む。確かに私が望んだことだった。自分が傷つけているのに、自分が傷つけられているように感じる痛みをどうしていいか分からなくなりそうだった。
「やっぱり忙しいのね」
「世界的な映画祭で受賞したから、しばらくは仕方ないよ。じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
私は一人残されたマンションで……。寂しさを感じていた。
その言葉の通り、篠崎さんの仕事は順調だった。テレビでの授賞式の収録が落ち着いたら、今度は雑誌の撮影、ドラマの収録など、次々に仕事が舞い込んでくる。私はエマに言われるがままに仕事をこなしていた。
収録や撮影現場でお兄ちゃんに会うことは多い。でも、今まで以上に緊張する。そして、マンションでは一人だった。お兄ちゃんは忙しいらしく、マンションに戻ってくることはなかった。着替えや荷物を取りにきていることはあるけど、それは私がいない時ばかりでお兄ちゃんに会っていない。
それは、篠崎さんの仕事が映画祭での忙しさが収まり、通常通りになった頃のことだった。
私は疲れからか、妙に身体が熱かった。
熱を測っても、微熱程度で動けないほどではない。それに、今日は篠崎さんの雑誌の撮影があり、ファッション誌なので服を何度も着替えるので、忙しい。私は栄養ドリンクを飲んで出かけることにした。スタジオに入り、服や小物の準備をしていると、篠崎さんとお兄ちゃんが入ってきた。
「やっぱり忙しいのね」
「世界的な映画祭で受賞したから、しばらくは仕方ないよ。じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
私は一人残されたマンションで……。寂しさを感じていた。
その言葉の通り、篠崎さんの仕事は順調だった。テレビでの授賞式の収録が落ち着いたら、今度は雑誌の撮影、ドラマの収録など、次々に仕事が舞い込んでくる。私はエマに言われるがままに仕事をこなしていた。
収録や撮影現場でお兄ちゃんに会うことは多い。でも、今まで以上に緊張する。そして、マンションでは一人だった。お兄ちゃんは忙しいらしく、マンションに戻ってくることはなかった。着替えや荷物を取りにきていることはあるけど、それは私がいない時ばかりでお兄ちゃんに会っていない。
それは、篠崎さんの仕事が映画祭での忙しさが収まり、通常通りになった頃のことだった。
私は疲れからか、妙に身体が熱かった。
熱を測っても、微熱程度で動けないほどではない。それに、今日は篠崎さんの雑誌の撮影があり、ファッション誌なので服を何度も着替えるので、忙しい。私は栄養ドリンクを飲んで出かけることにした。スタジオに入り、服や小物の準備をしていると、篠崎さんとお兄ちゃんが入ってきた。