君をひたすら傷つけて
「買い過ぎかな?」

「そんなことないわよ。全部、自分で買ったのよね。前みたいに篠崎さんから貰ったカードを使えばいいのに」

 里桜ちゃんは全て、自分のお金で買い物をした。
 前に一緒に買い物をした時は篠崎さんからカードで買い物するようにと言われてたけど、今回は全部里桜ちゃんが払った。

「それでは海斗さんへのプレゼントにはならないので。結婚してから、生活費は全部海斗さんが出してくれているので、私の給料は全部そのままになってます。だから、このくらいは自分で買わないと」

「そんなこと気にしないと思うけど」

「でも、甘えてばかりじゃ」

「里桜ちゃんらしいわね。さ、そろそろ帰りましょ。夜ご飯も一緒に食べる?」

「今日は帰ります。海斗さんが帰ってくる前に掃除を終わらせたいので」

「じゃ、夜ご飯を作らなくてもいいように、近くに美味しいデリの店があるから、行きましょ。私も作るのはやめて、何か買おうっと」


 お互いに自分の夜ご飯になるものを買い、里桜ちゃんと一緒にお兄ちゃんのマンションまで戻ってきて、置いていた荷物を持って、タクシーで帰っていった。そして、里桜ちゃんが帰って10分もしないうちにお兄ちゃんが帰ってきた。

 鍵を開けて入ってきたお兄ちゃんはテーブルにデリを並べている私を見て、穏やかに微笑んだ。

「ただいま」

「おかえりなさい。さっきまで里桜ちゃんと一緒にいて」

「そうか、じゃ、海の方が先に着いているかもな」

「もう仕事終わったの?」

「いや、着替えに戻っただけだよ。この後も、まだいくつかの収録が残っている」
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