イケメンすぎてドン引き!
「あ、あいつ、そこにいるよー!」
あたしを知っているらしい生徒から指をさされ、
その場の視線が全てあたしに集中した。
その時――
「あ、確かにさっきの後姿はこの子だったかも」
というイケメンボイスが、あたしのすぐ後ろから降ってきた。
あれ。どっかでこの声、聞いたことあるような……。
今朝、石段下から聞こえてきた
「ぐえっ!」という悲痛な叫び声を思い出す。
ま、まさかね、アハハッ。
と思いながら、ゆっくり振り返ると、
そこには――。
細いけどしっかり筋肉ついていそうな長身に、
シャツonゆるんだネクタイ、腰ばきしたズボンの男子生徒。
ふわっとマリン系の香りが漂う中、
視線を少し上げると、その男子の顔が見えた。
あ、あ、あ……!