イケメンすぎてドン引き!


「あ、あいつ、そこにいるよー!」



あたしを知っているらしい生徒から指をさされ、

その場の視線が全てあたしに集中した。



その時――



「あ、確かにさっきの後姿はこの子だったかも」


というイケメンボイスが、あたしのすぐ後ろから降ってきた。



あれ。どっかでこの声、聞いたことあるような……。



今朝、石段下から聞こえてきた

「ぐえっ!」という悲痛な叫び声を思い出す。



ま、まさかね、アハハッ。



と思いながら、ゆっくり振り返ると、

そこには――。



細いけどしっかり筋肉ついていそうな長身に、

シャツonゆるんだネクタイ、腰ばきしたズボンの男子生徒。



ふわっとマリン系の香りが漂う中、

視線を少し上げると、その男子の顔が見えた。



あ、あ、あ……!



< 11 / 262 >

この作品をシェア

pagetop