イケメンすぎてドン引き!







『おにーちゃん! 布団干すからさっさと起きてー!』



『ううっ。もういやだ……もう一生ここからでたくない』



『は? めんどくせーな。せっかくの日曜なのにうじうじすんな。

……てか、おにーちゃん転校してから元気なくない? おかーさんも心配してたよ』



『もう疲れた……。もう何が何だか分かんねーよ……。俺の中の俺と俺以外が求める俺が違いすぎてよく分かんねーんだよ』



はー意味わかんないし。俺俺うるせーし。


……おにーちゃん、こっち来てから何かあったの?







『あははは! いーじゃん、スーパー王子キャラ! そのまま貫いときなよ。みんなもキャーキャー喜んでくれてるんでしょ?』



『うう。笑い事じゃねーよぉ』



『しかも、勉強も部活も必死に頑張ったおかげで、高校の推薦まで取れたんじゃん。必死で性格良いキャラ作ったおかげで、すげーカワイイ彼女もできたんじゃん』



『でも、本当の、俺は、そんなんじゃねぇーーーーーーーーー!!!!!』



『あーもう! うるせーバカ兄貴ー!』









先輩は、自分のためじゃない。


みんなが求めていることに忠実なだけなのだ。




ドン引きするくらい、


めんどくさくて、優しすぎて。



何て、いじらしいイケメンなんだろう。












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