とんだ勘違いから
肩にこの妹分を担いで店を出ると
みんな俺を穴が開くのかと思うぐらい見る。
「なんでガン見されなきゃなんねーんだよ。めんどくさ。」
肩に乗せているのが華奢な体付きで軽いなとは思ったけど、俺にはこいつを抱っこする気はない。
そんな趣味ね~っての。
ほぼ脱力状態の体はズタ袋を運んでいるかのような気持ちになる。
エレベーターを降りて部屋に行くと
綺麗にされたシンプルなデザインの部屋だった。
こいつ稼ぐんだな、仕事何やってんだか。
海外から帰ったばかりの俺と同じぐらいの広さの部屋に住んでいた。
そのまま寝室に連れて行くとベッドにぽふっと落とす。
それでも起きる気配がないが、これ以上ここにいる必要も無いので帰ろうとすると
「も....う、ン..。」なんか寝言でも言ってるみたいだと思って振り返ると寝返りをうったのか顔が顕になった。
髪の毛が顔にかかっていた時にはわからなかったがかなりの整った顔をしている。
目を閉じていても鼻がスッと高くて唇もプルンとしている。
少し唇が開いていてあどけなさも感じられる。
こいつが女だったらやばかったかも。
ま、
玲の妹分てことはこいつも女装が好きな男なんだ、
と心の中で思った。