とんだ勘違いから
バーに戻ると
「ありがとう。
早かったわね。」
と玲が言い、俺が鍵を返すと
「あいつかなり稼ぐんだな。
俺よりいいとこ住んでやがる。」
と本心を言った。
稼ぐバーのホステスいや、ホスト?男だからってところか。
かわいい顔してたからどっかのゲイバーのショーでもやっているのか
芸能人かとも思った。
ま、こんな男の事を気にする必要はないが。
俺は商社に勤めていて4年間アメリカ駐在していた。
月曜日からは次長から部長だ。
給料もそこそこ、住まいも悪くない。
玲のバーへも歩いていける距離だ。
某国立大学を出て水友という大会社に就職が決まった。
そして社会人になって少し仕事を覚えて楽しめるようになった頃、上司の行きつけの店で働いていた紗綾と知り合った。
ほとんど一目惚れのようなもので俺は交際を申し込んだら了承してくれた。
紗綾は綺麗な顔をして身体も最高で少しエロいところもあってすぐに俺はハマっていった。
忙しく仕事していた俺のことをいつも気遣ってメールでの連絡しかできないこともあったけど俺はすっかり紗綾のことを信じ切っていた。
26歳でアメリカ駐在を言い渡された。
帰ってきたら昇進のポストが与えられると言われた。
そしてそのことを話すと紗綾が俺の奥さんになりたいと逆プロポーズしてきた。
付き合って2年、忙しい俺の事をわかってくれて影で支えてくれた。。。。
彼女と一緒に暮らしていこうと思ってた。
愛していたから。
最高の女に知り合えて俺は有頂天になっていた。
仕事も順調、彼女も最高。
俺が先に行くから落ち着いたら一時帰国して結婚式をして正式に奥さんとして紗綾をアメリカへ連れて行くと話すと喜んでくれて俺を送り出してくれた。
一時帰国、数日早く帰れることになって紗綾を驚かそうとマンションへ行った。
このマンションは俺の持ちモノですでに婚約したということで紗綾がマンションに引っ越してきてくれてた。
転勤から帰ったら二人でいろいろ揃えようって話していたから殆どは俺の持ち物ばかりで彼女はほとんど身一つでやってきていた。
初めて俺の両親に合わせた時、両親がいなくて義理の弟がいるという複雑な家庭の紗綾に対して少しも嫌な顔をせずに接してくれた。
実家には俺が帰ることを伝えていたから一時帰国と同時に籍を入れようと伝えていた。
玄関に入ると女物の靴の隣に無造作に脱ぎ捨てられた革靴。
その時どうしたんだ?紗綾の義弟がやってきたのか?という風にしか思っていなくて
彼女にあえることを楽しみにだけに帰ってきていたから。他のことに気づかなかったんだ。
リビングに入った時に見てしまった。
脱ぎ捨てられた男女の服がベッドルームに続いていることを。
そして聞こえるあいつの声、
俺は驚きのあまり口に手をおいて動けないでいると
「あんたも呼ばれたのか?
3Pならず4P?
俺は女二人に俺ってシチュエーションがよかったのに。 はははっ。」
と上半身裸の男が隣に立っていた。
革靴の隣にあったのは彼女の靴でなく、いま一緒にベッドにいるこの女のものだったんだ。