とんだ勘違いから


お父さんの顔が一気に困ったような怒ったような顔をすると

私の手を離した部長が



「はじめまして、私は水友で部長をしています前田広陵と申します。

まことさんとお付き合いさせてもらってます。


挨拶が遅れて申し訳ございません。」


そう言うと深々と頭を下げた。



「お父さん私達今からディナーだからもう行くわね。」





「あ、そうなのか。


また時間があったら話をしよう、前田君。」


そう言って私たちは別れた。




少し歩き出すと手を握りしめてくれたのであいつの事を考えてた私の気持ちはもう嬉しい気分に変わってた。




席についてメニューを見ると

「何が美味しいんだ?

肉が食べたいな。」



それから私は好物のフルーツタルトの話や

いろんな話をして楽しい食事の時を過ごした。



そしていつものようにバーへ向かいながら歩いていると部長が



「まこ、もうそろそろ、部長って言うんじゃなくて名前で呼べないか?」


部長を見ると

どうだ?って言われてるみたいで



「.....


なんかいつも部長って言ってたからそう言ってたけど、


名前で呼ばないとね。




広陵さん。」



すごく恥ずかしくて顔を上げれないでいると顎を持ち上げられて

目を合わすと



「やっぱりいいな、名前呼び。」


と軽くキスをされた。


まさかこんな道の真ん中で不意打ちのキスにパーっと顔が赤くなっているず、


「もう、部長!

あ、広陵さん!」


いたずら顔の広陵さんが、ごめんごめんて言ってるけど、絶対そんな気ないはず。



本当にいろんな顔を見せる広陵さん。






< 81 / 102 >

この作品をシェア

pagetop