我 、君ヲ愛ス…っ⁉︎

なにしろ有名ですから、その五人。
……いろんな意味で。



「今ね、みんなと待ち合わせしてるとこなの。……あっ、来た!」



なぬっ‼︎
いかん、それはいかん。



行かねばっ!
今すぐ、速攻でこの場から去らねば‼︎



「……っご、ごめん‼︎‼︎私っ、ちょっとおばさんに頼み事されてて、じゃぁね」




「え?あ、栗原さんっ‼︎」



高橋さんの静止の声が、背後から聞こえるも、私は敢えて無視して走り出す。



ふーーっ。
動きやすいジャージ着ててよかったぁ‼︎



浴衣だらけのこの場所じゃ、ちょい目立つけど、奥社に行けば人も少ないしね。



「……ふぅ」



思った通り。



奥社には誰もいなかった。



「さっきまでの人混みが嘘みたい。やっぱり静かでいいな、この場所……」



石段に腰掛けて、私は空を仰いだ。



雲もない夜空は、たくさんの星が輝いていた。



七夕の定番、天の川もよく見える。



恥ずかしい話、彦星と織姫の星がどれなのか、私知らないんだよね。



たはは……。


ーーー!



「……あれ」



なんだろ、今の光。
一瞬だけど、この向こうからしたよね?



たしか彼処は、石の祠があったはず。



スマホでも落ちてたのかな……。
メールとかがきて、着信で光ったのかも




スマホだとしたら、落とし主……きっと困ってるよね。



……よし。
月明かり以外街灯もないし、ちょっと怖いけど、行きますか!

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