桜ノ華
生徒会室の中には更に会長室というものがあり、
啓志は主にそこに居るから必然的にふたりの時間が多い。
―「一緒に居る時間は前よりも増えたが、ゆっくりすることは減った。
だから時々こうして一緒に休憩してくれないか」
という啓志の申し出で、時々こうしてお茶をするようになったのだ。
「お待たせしました。今日は紅茶でよろしいですか?」
「ああ」
「あの、それと…」
紅茶が入ったティーカップと共に、
控え目にラッピングされたある物をテーブルに置く。
「…何だこれは?」
「…作って、みたんです…」