桜ノ華



生徒会室の中には更に会長室というものがあり、
啓志は主にそこに居るから必然的にふたりの時間が多い。



―「一緒に居る時間は前よりも増えたが、ゆっくりすることは減った。

だから時々こうして一緒に休憩してくれないか」



という啓志の申し出で、時々こうしてお茶をするようになったのだ。


「お待たせしました。今日は紅茶でよろしいですか?」

「ああ」

「あの、それと…」


紅茶が入ったティーカップと共に、
控え目にラッピングされたある物をテーブルに置く。


「…何だこれは?」

「…作って、みたんです…」



< 29 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop