桜ノ華



「みなさん、紅茶が入りましたよ」


桜が企画したのは、現生徒会と後輩の交流会だった。

後輩といっても、生徒会行事に積極的に協力した生徒や、
生徒会メンバーに対して純粋に憧れている者たち。

いわば、次期生徒会の有力候補の者たちを、
啓志以外の生徒会メンバーで選抜したのだ。


「紅茶もお茶菓子も、三条さんのお手製だよ~!

絶品だからみんな遠慮しないでね!」


生徒会の中のムードメーカー、瀬崎の言葉で、
委縮しながらもそれぞれにお茶やお菓子に手を出し始める後輩たち。

雰囲気は悪くない。上々なのではないだろうか。


「桜」

「はい、何ですか? 啓志さん」

「俺の分は無いのか」


どこか拗ねたような声音に、くすりと笑む。


「どうしましょう? 欲しいですか?」



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