あなたと恋の始め方①
「ごめんなさい。言っている意味がほとんど分からないんです。折戸さんの下着の趣味とか分からないし、そんな話をしたことないです」


 私がそういうと、二人は顔を見合わせてニッコリと笑いあう。でも、その微笑みの理由すら分からない。そして、私の疑問に応えてくれたのは川田さんだった。


「隠さなくてもいいわよ。私、坂上さんが折戸さんと付き合っているの知っているんだから。水曜日の夜。二人で夜、歩いているの見たし、折戸さんの優しい微笑み見てたら…もう愛って感じだったもの。羨ましくて少し悶絶しそうだったわ。あまりにも格好良すぎて一瞬どころかずーっと見てしまったもの」


 あまりにも驚きすぎて、息が止まるかと思った。悶絶って…。折戸さんの綺麗さは確かに悶絶するけど。愛って…なんか違う。キラキラした瞳の二人は私の口から折戸さんのことを語られるのを今か今かと待ちわびている。


 この二人…。
 思いっきり勘違いしている。


 二人の話を聞いていて、鈍感な私にも二人がとんでもない勘違いをしていることに気付いた。勝負下着の下りからどうも可笑しな方向に行っていると思ったけど、まさかこんな勘違いをしてるとは思わなかった。私はいつの間にか折戸さんと付き合っているようになっているらしい。


 大きな溜め息が漏れた。身体の力どころか骨が抜けそうだった。


 折戸さんには確かにかなり大事にして貰っていると思う。折戸さんの人柄に私は好意を持っているのも間違いない。でも、私の中で折戸さんは男の人と言うよりは既にお兄さんかお父さんという感じで、恋愛感情はない。

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