あなたと恋の始め方①
「美羽ちゃんのチケット貸して。俺が走って行って予約チケットを取ってくるから」


 この遊園地には優先的に入れるチケットがあるらしく、それを小林さんは自分が取ってくるという。その気持ちは嬉しかったけど、離れたくなかった。優先的に入れるチケットは確かに待ち時間無く効率的に回れると思う。でも、私は…アトラクションとかも楽しいと思うけど、一緒に過ごす時間を一緒に楽しめればいい。


「私も一緒に行ってはダメですか?」


「そんなことないけど、結構、あちこち回るけどいい?」


 そう小林さんに言われて頷く。ここで一人で待つくらいなら一緒にチケットを取りに行った方がいい。アトラクションが乗れないよりも一緒に居たい。

「じゃ、一緒に。でも、美羽ちゃん。少しでも疲れたら言って。我慢はしないで」


「はい」


 研究職というのはやはりあまり自分の足を使って歩くことはない。そんな私が足の疲れを感じたのは小林さんに一緒に行くと宣言してからさほどの時間も経ってなかった。歩いているうちに少し足の疲れを感じる。どうしようと思ったけど、小林さんにどこかで休憩しようと言おうかと思ったけど止めた。楽しそうにしている小林さんを思うとまだ一緒に歩きたいと思った。実際に疲れは感じているけど歩けないわけじゃない。


 まだ、頑張れるし…。それにとっても楽しい。


 いくつかの優先券をとって…。二人であれこれ話しながら並んで歩いた。

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