あなたと恋の始め方①
「プレゼントは?」


「要らないって言っても、美羽ちゃんは気にするんだろうね。じゃあ、一緒に写真を撮っていいかな。美羽ちゃんの写真が欲しい」


 私の写真?そんなものがプレゼントになるとは思えない。でも、それが小林さんの望みならと思うと、私は頷くしかない。嫌ではないけど写真というのは緊張はする。でも、私が頷いたのを見て、小林さんがニッコリと嬉しそうに微笑むから私も顔が緩んだ。でも、写真って…私も小林さんと一緒に映ったのは欲しいかもしれない。

 
「カフェでケーキでお祝いして、その後で写真ですね。携帯のカメラでいいですか?」


「うん。勿論。今の携帯のカメラはかなり綺麗に撮れるからね。嬉しいよ。ケーキよりも写真よりも美羽ちゃんが俺のことをお祝いしたいと思ってくれる気持ちが嬉しい」


 私は小林さんが笑ってくれるだけで嬉しい。好きな人の笑顔って…なんでこんなに幸せになるの?ちょっとしたことで幸せを感じるのが恋なのだろうか?


「あ、もう始まっている」



 そんな小林さんの声に視線を送ると私たちの目指している場所がたくさんの人が溢れ、楽しそうな音楽に合わせて踊りだすキャラクターが見えた。そのショーを見ながら観客は拍手が鳴り続けている。近くに行くのはいいけど、あまりにも人が多いので、出来ればこの辺りから見たいと思った。少し遠目だけど、それでもゆっくり見れそうな気がする。


「もう少し先に行く?美羽ちゃんは前の方がいいよね」


 小林さんはそういうと、私の手を引いて前に行こうとする。でも、私はその手をキュッと握り、先に行こうとする小林さんを引き止めた。


「ここがいいです。ここならゆっくり見えるから」
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