あなたと恋の始め方①
 それは誰に責任があるわけでもなく責任は自分にある。


 私は自分に自信がない。


 折戸さんに好きだと言って貰った時、本当に嬉しかった。あの日、空港で小林さんに好きだと言って貰った時は正直夢でも見ているのかもしれないとさえ思った。素直になって、私がこれ以上ないくらいの勇気を振り絞って…。もし、小林さんの気持ちがあの時と変わっていたらと思うと怖い。


 あれから一年以上の年月が流れている今。小林さんの気持ちが変わっていないとは言えない。なんであの時空港で『私も好き』と言えなかったのだろうかと後でかなり後悔したけど、あの時の私は小林さんに対する思いが…恋と好意との違いさえも分からなかった。


 今の私はハッキリと好きだと言える。


 私が好きだと言って、もし、ダメだとしても小林さんは避けたりはしないと思う。でも、一緒に過ごせなくなるのがとても嫌だった。今がとても幸せで、このままずっと続いていって欲しいと思うからこそ、この関係を壊したくないと思ってしまう。そんな躊躇する私とは違い、折戸さんは真っ直ぐ私を見つめると、甘く微笑みを浮かべたのだった。



「俺は美羽ちゃんが好きだよ。東京の本社にいる時からずっと気持ちは変わらない。でも、それは俺の気持ちであって、俺と一緒にいることで美羽ちゃんが幸せになれないのに自分の気持ちを押し付ける気はないよ。俺は美羽ちゃんが幸せならそれでいい。でも、俺が美羽ちゃんを幸せにしたいと思っている」

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