モバイバル・コード
 この文章を書いた奴は、性根が腐ってやがる。携帯を投げつけて、叩き割りたい衝動に駆られる。


「……雷也、この『腕輪』って何か分かるか?」 


 雷也は眉間にシワを寄せながら、つぶやいた。


「危ない、モノ」


「だよな」


 無言のままで5分ほどが経過した。3人とも、色々と考えを張り巡らせている。


「今のが最後のゲームなのかな?」


 愛梨の疑問はもっともだ。最後の『本戦』は今の……よく分からない状況に追い込まれる事なのかもしれない。


「とりあえず、こんな気持ち悪い動画を見せられたわけだが、寝ないとまずい。一度、休もう。今が18時半過ぎだから、22時まで眠れる。そこで起きて、ご飯食べに行こう。携帯はマナーモードを切っておくし、このリビングで横になればいいと思う」


 オレの提案に雷也が軽く頷いた。


「そうだね、疲れを取るというより、頭をスッキリさせないと。だけど、それなら1時間ずつで寝てもいいんじゃない?」


「いいよ、じゃあ愛梨、寝てくれるか?オレは1時間だけ寝れば大丈夫だから、21時に二人共起きてきて」
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