モバイバル・コード
「はいはい、どうも心配してくれてありがとう。雷也にはオレから言っておくから、仲直りしろよ」


「え……? どういう事?」



 愛梨の声に緊張が走った。ホント、分かりやすいのは昔からだな。



「どうって、だから喧嘩して寂しくなって連絡してきたんだろ? 

雷也にはオレからも言っておくからさ、カップル同士仲良くしなきゃダメだろ。そろそろ2週間くらいになるんだっけか? 

デートの一つでも行って来いよ」



「龍ちゃんのバカッ!! もう心配なんてしないんだから!」



「おい、そんなに怒るなっ」



──『ツーツー』



「はぁ……ああっもうっ!!」



 これがガチャ切りってヤツか……確かに気分悪い。



 愛梨も、素直にならないから雷也と喧嘩するんだ。
 

 オレは携帯電話を見ながら布団に横になった。


 電池のバッテリーを示すパーセントが残り『30%』と表示されている。


 明日も早いし今日はもう寝よう。しかし、どういう意味だろう。


 慶兄の最後の言葉が、頭から離れなかった。
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