溺愛宣誓
その居た堪れない空気を一蹴するように入り口の扉が開き市姫さんが現れた。
「愛しのバンビせんぱーい。お招き有難うございます。ああ…先輩の私服姿、可愛い!!ハスハスしたくなるくらい可愛い!!」
「え、えと…有難う。その…市姫さんこそ、いつも可愛いけどいつも以上に可愛いよね…。」
いや、これはお世辞ではなく。
居酒屋に居る男性陣が二度見した後、チラチラ見てるし。
お巡りさんものぼせたような顔で視線を釘づけてるし。
「そりゃ勿論!先輩の為に命一杯お洒落しましたもの!!」
眩い程の笑顔でそんな事を言う市姫さんは後輩としては文句なしに可愛い……んだけどな。
素直に受け取れません。
「てか、カノの横に無理矢理座るな!向かいがガッツリ空いてるだろっ!」
「てか、完膚無きまでにアレをスルーしている。」
「盲目なまでの華ノ子信仰、ある意味アッパレだわね。」
隣からは口口のツッコミが…。
「別に私男や結婚に興味がないとは言ってませんよ。」
結局いつまで経ってもモジモジおどおどしているばかりで何の進展も見せないお巡りさんに業を煮やした周囲が、告白めいた言葉だけを濁してあらかたを暴露した。
決定的な言葉は無かったものの、その話で大体の趣旨を察した市姫さんは、至極あっさりと言ってのけたのだった。