溺愛宣誓
「ホント、もういい加減にしてくれませんかね。」
善良な近隣住民によって絶叫が通報され、お巡りさんが駆けつけた。
顔馴染みとなったお巡りさんはもはや迷惑そうな表情を隠しもしなかった。
近日噂になっていた不審者の件もあり、少々話を聞きたいと言う事で、一番近くにある私の部屋を提供した。
私、織田さん、お兄ちゃん、お巡りさん……改めても不思議な面子。
「で?あの方は本当に君のお兄さんなんだね?」
「あ。はい。本名は鞍馬菊麻呂で、KIKUMAという名前でモデルをやってます。」
「姉ではなくね?」
「兄です。」
「…なんというか、限りなく不審者だよね。」
……ソレは否定しきれません。
部屋に来てメイクとカツラを奪い取られたお兄ちゃんはソファーの後ろに身を窶した。
その姿は紛う事無きGである。
ついでにいえば、いくら中性的な顔立ちをしているからってメイクを取った短髪のお兄ちゃんはやっぱり男の子に見える訳で、スカートはかなりのミスマッチだ。
織田さんがお巡りさんの頭を叩いた。
「おい貴様、カノのオニイサマに向かって無礼だぞ!どんな不審者であろうとも敬え。」
「君こそ不審者とか言っちゃってるが!?ていうか、君こそ俺に無礼過ぎじゃないかい!?」
突っ込むお巡りさんを華麗に無視して織田さんはソファーに向かってニッコリと爽やかに微笑みかけた。
「はじめましてお義兄様。僕は華ノ子さんとお付き合いさせて頂いている織田出澄と申します。」
それにひょこっと頭だけ出したお兄ちゃんが一言。
「呪」
「……頭ぶち抜いてやろうか。」
「ちょ―――っ、勝手に拳銃抜かないで!ホント大惨事になるからやーめーてー!」
お巡りさんの腰の拳銃に手をかける織田さんをお巡りさんが必死に止める。