溺愛宣誓



「え……女?」



帽子から零れ落ちたのは長い髪。

フルメイクの顔。

ちなみに先ほど想像を中断されたトレンチコートの中はスカートだった。



「て言うか、この顔……モデルのなんちゃらってヤツにソックリだな。」

「そうよっ!私はモデルのKIKUMA、本人よ!だからこんな人目を忍ぶ格好をしてるんでしょっ。分かったらさっさと放しなさいよねっ!!」


ぎゃんぎゃん騒ぐ不審者…基、“KIKUMA”とやらに私は静かに近づいた。


「目立つのが嫌ならカツラとメイク取ってくればイイでしょ、………お兄ちゃん。」


むんずと掴み引っ張ったズラは手ごたえもなくポトリと路上に落ちた。


「ちょあぁぁぁ―――っ、愛する妹よ!兄の渾身の戦闘服を素手でもぎ取らないでぇぇ。」

「兄ぃぃ――――――――っ!?」


夜の闇に二つの絶叫が轟いた。
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